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6/16/2016

実習生の95点授業! - 5年ぶりの虎の目、龍の耳はサッカー大好き先生だった -

新幹線で3時間かけ、しかも前泊して臨んだ、きょうの教育実習訪問指導。

往復6時間と1泊だけの価値はあるだろうと密かに期待はしていたが、その期待以上にすばらしい授業で、見ていて胸に熱いものがこみあげた。

実習生の授業をみてこういう気持ちになったのは、5年前の「虎の目、龍の耳」のヒョーちゃん以来である。

私が教師にやってほしい・持っていて欲しいと思っている要素、この2年あまりに授業で伝授してきたテクニックが、これでもかと、詰まった50分間だった。

■生徒にきちんとした英語を教えようという愛情に満ちた気迫。

■生徒の口をよく見て、音をよく聞いて、的確にフィードバックする姿勢と技術。

■私直伝?の菜箸活用大ジェスチャープロソディ指導。

■生徒に英文を言わせるとき、reactive ではなく、proactive に、どこが強いのだっけ?と確認してから、そのように言わせるうまさ。

■自分の口を指さし注目させて行う発音指導ができる自信とキャラ。

■教科書本文にreally が出てくるからと選んだBGMの I really like youによる雰囲気盛り上げ。

■Really? をきちんと発音させる力量。 reallyが言えない現役教師さえ、そう珍しくないというのに。

■aeの指導のために、いまは「亡き」?世界のナベアツの「せぁ~ん!」を出すことを楽しめるキャラ。

■aeのイメージ表現として、変顔をしながら、のけぞってみせることができるキャラ。

■カタカナ的発音と英語的発音の聞き取りゲームをさせられるスキル。

■グルグルの時に生徒から30センチの距離で生徒の口を凝視し、即座にフィードバックできるスキルとキャラ。

■生徒のコーラス音声をききとって、「ああ●●がだめだね」と即座に診断・評価して、●●の音の修正・強化のために、次々に繰り出す、Englishアイウエオと English五七五のの数々。(8年前、苦労して「オヴァサンノ、コウヴツ。。。」を考えだしたかいがあった、というものです。)

そしてこういうなりふり構わぬ熱血音声指導の効果がこの2週間の間にしっかり26人の中学1年生に根付き、生徒の口からでてくる英語の英語らしいこと。

インタビューゲームは過去に何度も見たが、生徒があれだけしっかりした発音で活動するのは初めて。過去に見たのは覚えている限りすべて、生徒同士が紙を見ながらどうしょうもないカタカナ発音でやりとりする、という時間の無駄としか言えないシロモノばかりだった。そのため、インタビューゲームなどすべてやめてしまえ!という指導助言をしたことさえありました。が、きょうのようなインタビューゲームならやる価値はある。

担当学年だけでなくすべての学年の授業に顔をださせてもらい、◯◯ラボ、と称した発音塾を行って学校中の人気者になっている、という。

今日の授業は、実習生としてだけでなく一般的な英語の授業として、わたしの採点は95点。 (一緒に見ていた淡路先生の採点は90点くらいか?)

私の減点の5点は、比較的マイナーではあるが、実は大事な、以下の発音イマイチな箇所および、英語としてダメ表現、イマイチ指導法によるもの:

1  最初の挨拶。大きな声で、Good morning ミスター◯◯◯! と言わせていること。Mr.が、ミ・ス・ターという4拍でなく、MISterという2音節で、MISのほうが長く、terは短いのだ、というのは、日英の差の典型的な例としてうってつけなのである。 Good morning, Mr. ◯◯◯ を、  oOo Oo oOo!  というリズムで言わせなければならない。

2 What's the date? が、ご多分にもれず、What the date? となってしまい、sが言えてないこと。thの前の /ts/ は確かに難しいのだが、What's this? など、多くの基本表現に現れるので教師としてはしっかりマスターせよ。

3 Thursday の th  ur それぞれにポイントを置いて指導してたのはさすがわが教え子。しかし綴りを、ティー・エイチ・ユー。。。とスペルアウトさせたのはまずかった。単語の構成する文字の名前を
言わせるのではなく、th-ur-s-d-ay という文字に対応する「音」を確認するのが先決。

4 ドレミの歌の、golden sun は、goldn であって、golデンじゃないよ、と言ったまでは良いが、自分で、golデン sun golデン sun   a drop of goldn sun! と、最初の2回のgoldenの発音をミスったこと。

5 いくら I like .... を練習させたいからといって、冠詞や複数形は未導入だといって、 I like textbook. / I like apple. といった非文を言わせてはダメ。 (ただ、textbook を、tekisut book ではなく、きちんと2拍で言わせたのはエライ。)

6ドレミの歌、全体に「見事!」な指揮ぶりだった。が、最後の最後、do re mi fa so la SHI と言っていたぞ!残念。

7 最後の最後、That's all for today's my lesson. にはずっこけた。 my today's lesson か、my lesson, today.である。 

以上は私の評価だが、一緒に見ていた淡路先生はこれらに加えてまたちょっと別の、ちょっと前まで現役中学教員だった視点から、するどく、きめ細かいコメントをされていた。テイストの違いは多少あるものの、私も首肯することしきり。

いずれにしても、今回の訪問実習は more than well worth it だった。

必ず良い教師になれよ!